脊髄損傷
どんな病気か
大きな外傷により、脊椎骨(せきついこつ)が脱臼(だっきゅう)あるいは脱臼骨折を起こすか、脱臼がなくてももともと脊柱管(せきちゅうかん)が狭いところに外傷が加わると脊髄機狽ェ著しく障害されることがあり、これを脊髄損傷といいます。
この場合、障害部位から以下の運動機狽ヘ著しく障害されますが、その程度は完全に動きがなくなるものから、少し筋力が弱くなるものまでさまざまです。
転落や交通事故、ダイビングやラグビーなどのスポーツ外傷など、高エネルギー外傷が原因になることが多くみられます。
はっきりとした外傷があり、それに続発して急に上肢あるいは下肢に知覚障害や運動障害が出現します。
上肢、体幹および下肢の知覚障害や筋力あるいは反射を調べ、脊髄障害が起こっているレベルとその程度を調べます。
骨の傷害あるいは脱臼がある場合は、単純X線検査で障害部位の診断が可狽ナす。しかし、骨と骨との間のクッションの役割を果たしている椎間板(ついかんばん)などの軟部組織の状態や、脊髄に対する圧迫の程度をみるためにはMRI検査が適しています。
明らかな骨傷がある場合や脊柱管が狭い場合は、手術的治療が基本になります。しかし、完全に脊髄が損傷され障害部から下の知覚、運動機狽ェともに完全に消失している場合は、手術的治療を行っても機狽ェもどることはまずありません。
逆に一部でも機狽ェ残っている場合は、早期に手術的治療を受けることで、その機狽ェ回復することがあります。
脊髄損傷が疑われた場合には、すみやかに専門病院への搬送が必要です。損傷部をできるだけ動かさないように注意し、寝かせた状態で搬送します。前述したように、できれば専門医のいる病院を早期に受診するべきです。受診する科は整形外科か脳神経外科です。
救命救急センターでは、これらの医師と連絡をとって治療にあたることが多いので、救急車を呼び、救命救急センターへ転送してもらうのがよいと思われます。
(執筆者:中村博亮)
